奈良大和歴史館の講座は、従来の定説を見直し新説を提言するものです。
現地を直に歩くことにより歴史認識を高め、奈良の魅力を肌で感じてもらえます。

奈良大和歴史館

奈良大和歴史館を開設するにあたり


Image: TNM Image Archives
所蔵先:東京国立博物館
明治5年の大仏殿と春日大社の間の風景。
フェノロサもこの風景を見たのだろうか。

大きい画像で見る

 何気なく見ている古都の風景だが、今残っている景観が「どうしてあるのか」と思ったとき、その景観をつくった歴史的経緯を詳しく知れば、その風景の魅力は一層増すことでしょう。
 例えば、古代からほとんど人の手が入らず今では想像できない巨木が茂る奈良公園に、はじめてフェノロサがきたとき、まる3日間一言もしゃべらなかった。心配した案内の九鬼隆一(後に男爵)が「どうかなさったのですか」と尋ねると、「こんな美しい公園を褒める言葉がない」と言ったという。

 この奈良公園は明治13年(1880)2月に開設されたが、それ以前は何だったのか。漠然とでも知っている人は案外少なく、ましてや詳しい経緯はよほどの歴史愛好家でもない限り、ほとんど知らないと言ってもよい。たった130〜140年前のことであるが知っているようで知らない情報である。
 奈良の多くの観光資源の中でも、筆頭の内に数えられる奈良公園の情報すら分からなければ、古代の観光資源はもっと分かりにくいはずである。
 奈良観光に来た方が大仏と鹿を「ただ見るだけ」で、奈良の魅力を満喫して帰るだろうか。そこに、本格的な歴史説明があり説明された場所に自身が案内されたならば、もっと大和の奥深さを知り感動するに違いない。日本を代表する歴史があればこその魅力である。その魅力を発信すれば、「もっと知りたい」「また来たい」という衝動となって、奈良ファンが増えリピーターになるのではないか。
 さすれば、観光客や地域住民が気軽に参加できて、奈良の魅力をもう一度見直す「発信基地」をつくることが大切ではなかろうかと考え開設したものが奈良大和歴史館である。

 名前に館と付くが建物ではなく観光資源としての歴史知識を解説する場という意味で、とりあえず、一人講師で始めますが徐々に学者・研究者のスタッフを揃え、大和の古代から近代までの詳しい歴史情報は網羅する予定です。

フェノロサ:明治11年(1878)来日のアメリカ人。東京大学で政治学等講じ、美術に関心を持っていたため、明治17年に文部省図画調査会委員に任命され、岡倉天心らを同行して近畿の古社寺宝物調査を行った。奈良にはそれ以前の明治13年(1880)と同15年に来ている。

  • 代表者(館長):岩井照芳
  • 住 所:〒619-0217 京都府木津川市木津町南垣外12
  • TEL:090−5129−8908
  • FAX:0774-72-0014